再生計画案に対する決議・意見聴取認可
1 小規模個人再生の場合
(1)個人再生認可の決議
小規模個人再生においては、再生計画の認可、すなわち債務を減免するかどうかは債権者過半数の反対が無いことが要件になります。
再生計画案が提出されると、裁判所は当該再生計画案を書面投票により決議に付する旨の決定を行います。この書面投票の期間は千葉地方裁判所では4週間と定めるのが通常です。この決定は債権者に送付されます。
債権者はこの決定に対して反対であればその旨の書面を提出しますし、特に反対しないということであればそのまま何も提出しません。
反対債権者が過半数を超えると、再生計画が認可されません。
ここでいう過半数とは、「債権者の人数」及び「債権額」の過半数です。
もっとも、不認可のためには積極的反対が要件とされますので、債権者が何の意見も出さない場合には賛成していることになります。実際に消費者金融、カード会社等の債権者が反対することはほとんどありませんし、1社2社反対したところで過半数に至らなければ問題ありません。
(2)反対のリスク
ただ、債権者数が極めて少ない場合(例えば2社しかなければ1社反対しただけで認可されません)、複数債権者がいるが当該債権者の債権額が極めて高額の場合(例えば5社債権者、債権額1000万円の場合で、600万円の債権額を持つ債権者がいた場合には、当該債権者が反対すれば認可されません)には1社の反対で認可がなされないリスクがあります。
小規模個人再生は給与所得者等再生と比較して債務の免除率が大きいこと等のメリットがあることから、通常は小規模個人再生を選択しますが、このような反対のリスクがある場合に給与所得者再生、任意整理等を検討するか、事前に大口債権者に対して反対しないことの同意を取り付けること等を検討します。
2 給与所得者等再生
給与所得者等再生の場合には、このような決議は要件とされていません。
債権者に意見聴取が行われ、債権者の意見を聞いた上で裁判所が認可決定をします。
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この際、意見の内容が認可に反対であったとしても、認可の一般的要件を備えていれば通常は認可されることになります。